うつろい

まるで統一感のない日常のエトセトラ。へっぽこ人生。

新しい美容室、新しい街

最近、美容室を変えた。

ところで最近は美容院って言わないらしいよ、知ってた?

 

「美容院」はおばさんっぽいらしい。衝撃なんだけど。

抗うわけではないけれど、時代に置いて行かれるのも寂しいので意識はしてるんだけど、どうしても「美容院」の方が言いやすい。

 

途中まで音が似ているのがいけないと思って、別の言葉を探してみるけれど、「ヘアサロン」は通り越してマダム感出ない?

そんなハイソなとこ行ってない行ってない。

 

通い始めたのは駅から20分程歩くところで、はっきり言って、車を持たない私にとってアクセスはよくない。

電車一本逃すと確実に遅れてしまう無人駅が最寄りだし。(つまり本数が少ない)

それでもホットペッパービューティーの口コミで総数は少ないもののイマイチな口コミが一切なく、最初から最後まで一人の人が担当してくれる、席数4席以下の小さな美容室というのが決め手になった。

 

結果、めちゃめちゃよかった・・・・!

傾聴力の塊みたいなカウンセリングで、泉のように湧き出てくる提案力。

一般人からしたらカットやカラーの技術的な部分なんて分からないけれど、その後の生活において「なんかいい感じ」が持続する。

 

こういうことはさっさとホットペッパービューティーのレビューに書けばいいんだけどね、美容室側は書いたお客さんが誰か分かるよね、きっと。

個人が特定されたうえでハンドルネーム設定するの恥ずかしくない?私だけ?

まあ今はまだ、興奮したオタクのように勢い余ったレビューしかできそうにないので、冷静になるまで待っとこう。

あと3回くらい通ってからにしよう。

 

***

 

しかし美容室に来るときくらいしかこの駅使わないだろうなってくらい、周りに何もない。

何もないってことはないか。

人の往来は結構ある街。

やたら猛スピードで自転車をこぐシニアが多く、常時どこかでチリンチリン鳴っている。

 

ちょうど終わりがお昼過ぎだったから、担当の美容師さんにランチのおすすめをきいてみた。

ゆったりした雰囲気で食後にコーヒーが出そうなとこ、とか言ったと思う。

したら最後のお見送りの時に、通りの向こう側指して「あそこです」って。

目と鼻の先にある、これまた小さなカフェを教えてくれた。

 

お店に入ると先客にマダムが一人いて、近所の常連さんかな、オーナーのことを「ちゃん」付けで呼んでいた。良い。

ランチは冬限定のパスタを選んで、それだけでもうお腹いっぱいになった。

満腹で食後のコーヒーを考える余裕なかったわ。

 

お会計の時に、このカフェに来た経緯を話した。

「すぐそこの美容室の方からおすすめされたんです」って。

 

したらパッと顔が明るくなってさ、いや、それまでも笑顔で接客してくれてたんだけど、接客から少し離れた素に近い部分の笑顔を見たような気がした。

思いがけず人の喜ぶ姿を目にすると、こっちまでうれしくなる。

こう、心がくすぐられたような。

気のせいかもしれないけれど、そうだったとしても一言発してよかったな。

 

そういえば、インフルエンサーYouTubeで言ってたことを思い出した。

「知らない人との会話を楽しめ」(意訳)

家族や友人知人以外の、その時その場所でしか起こらない会話というのは貴重だったりする。

情報に沿って追体験するのとは別で、発見に近い感覚がある。

SNSやネットで情報は手に入っても体験することはできないし、バズったスポットに行ったって心が揺さぶられるとは限らない。

 

他人の体験を見て自分も体験したような気になるのはちょっと危ない。

そのうち何も行動を起こさない人間になりそうな気がして怖い。

だからといってSNSのアカウント全部消す勇気はないんだけどね。

お店の公式情報がインスタだったりするし、地震が自分の気のせいでないことを確認するためにツイッターがいる。

 

少なくともアルゴリズムの奴隷にならないようにしたい。永遠に見続けられるもんね、SNSのフィードって。

乱暴かもしれないけれど、ネットで仕入れた情報は所詮二次情報!くらいの心意気でいきたいものだね。

どこかから情報を得るのも必要だけれど、五感で仕入れる第一情報をおろそかにしないようにしたい。

 

慣れようと思って文中にやたらと登場させたワード「美容室」

予測変換は学習したようだけれど、口はまだ慣れなそうです。

 

それでは(?)良い一日をお過ごしください。